植民地の記憶の場所にみんなで行ってみよう会

日韓学生が一緒に植民地時代の記憶の場所をめぐる活動記録。

第8回活動報告〜ナヌムの家(後編)

 今回のみん会では、ナヌムの家を訪問しました。ナヌムの家は 太平洋戦争末期、日本帝国により性的犠牲を強いられた生存日本軍’慰安婦‘ハルモニ(おばあさん)たちが集まって暮らしている生活の基盤です。<ナヌムの家>に住んでいる日本軍’慰安婦‘ハルモニたちは毎週ハングルの授業と共に絵画授業を通して学んだ絵で、数回にわたり韓国内外での絵画の展示会を開催しています。そのことで過去の日帝の日本軍‘慰安婦’に対する蛮行の真相を歴史に残していく活動をしています。

<ナヌムの家>は日本軍’慰安婦’歴史館を通じて長く子孫に日本軍’慰安婦‘被害者問題に対する正しい歴史観を確立するために率先している歴史館の一つです。現在、生存されている方は39人、ナヌムの家には10人のハルモ二が住んでおられます。(2017年3月現在)

今回は運が良く、特別に3名のハルモニと直接会ってお話を聞いた後、歴史館で解説を聞き、みんなで意見を共有しました。

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個人感想共有後のフリートーク

 

Dさん

慰安婦問題いつも考える時に思うんですけど、戦争のときはどの国もこういう問題は正直あったじゃないですか、今現在揉めているのは日本と韓国ぐらい?あんまり他の国の話を聞いてなくて、他の国はどうやって和解したのかなって思って…。

 

Fさん

ボスニア内戦とかまだ解決してないんじゃないですかね。

 

Aさん

似たような話を戦争と女性の博物館を訪問した回でしたんですけど、結局分からずじまいでした。台湾も韓国も日本が植民地化した場所なんですけど、台湾は親日っていうのがあるじゃないですか。でも韓国と日本が結構バチバチするじゃないですか。それなんでなのかなと思って慰安婦問題も含めてなんでそうなるんだろうという意見が出てました。

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姜日出(강일출) ハルモニと


Gさん

台湾は中国共産党政権のほうがもっとひどかったからっていう影響が強いよね。

 

Dさん

大陸の中国という敵がいるから日本を叩かなくてもいいみたいなそういう考えがあったかも。

 

Bさん

台湾と韓国の違いについて授業をとってたんですけど、韓国って戦後に親日派を政治の面から追い出したじゃないですか、でも台湾では植民地時代に活躍した政治家たちをそのまま登用したそうなんです。日本で植民地時代働いてたからお前は出てけみたいな感じじゃなくて、韓国はそうしたけど、台湾は技術もあるしということでそのまま残して台湾ができたっていうこともあって、その戦後の対応の違いっていうのがあるのかなと思います。親日派をどれだけ追い払うと言うかそういう意識的な面で。

 

Eさん

私も学校で習ったのがあって、慰安婦じゃないんですけど、うろ覚えで申し訳ないんですけど、ドイツと日本を比べた論文で、ドイツが結構ある程度解決しているっていう観点から書かれていたんですけど、置かれている国際的な状況とか政府がとってる立場っていうのがだいぶ違うという内容が書かれてて、政府としての植民地の定義、そこから違うっていうのがあって、色々絡んでくるのかなって個人的に思いました。

 

Bさん

私もドイツのこと気になって調べたんですけど、日本政府の公式的な立場としては韓国はドイツの真似て日本も謝罪しろっていう主張結構するじゃないですが、でも外務省のホームページに載ってるんですよ、ドイツとは国際的な状況が違ったので我々はそのドイツとは違った方向で戦後補償をしているつもりですという見解が載っているんですけど、それもなんかおかしいなって思って私も別の論文を読んでみたんですけど、ドイツはその当時戦後すぐ東西に別れちゃったじゃないですか、だからこの確立した統一された政府として戦後補償ができなかったから、個人個人に賠償するっていう形でなったんですけど、日本はもう一個であったからそういう状況も違ったんだなっていうことを読みました。

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解説を聞く様子


Cさん

ドイツの場合は王政でもなくてヒトラーが一番最高責任者みたいな感じで、はっきり言ってヒトラーナチスドイツ国民にとっても敵であり、世界全体からというか主にドイツに侵略された国からも敵であり、そこを片付ければ一応賠償とかは別として、国として責任を取るべきものはそれで終わる。でも日本の場合は一応を憲法上は当時は天皇が最高責任者だったから多分それに従っていたら天皇が責任を取るべきだっていう風になると思うんですけど、日本の場合は結局天皇を残すっていうように日本が決めたのかGHQが決めたのか微妙ですけど、天皇を残すということになって、やっぱりそこがドイツと日本が全然違う面かなと。戦犯、A級戦犯の人で処刑された人たちがいるけど、最高責任者である天皇は処罰されてないし、靖国の問題も今の日韓だと揉めていることなんですけど、靖国神社に戦争責任者が祀られていてしかも政府の人たちが今そこに参拝するとなると問題になるというのもやっぱり、天皇がいなくなればいいという所までは行かないんですけど、天皇が残ってること自体、国としての制度自体が引きずっている根幹なのかなって思うこともあります。

 

Gさん

慰安婦天皇から送られた贈り物という展示もあったしね。

 

Cさん

日本も太平洋戦争を通して犠牲者がいっぱい出たわけだけど、日本の教育制度の下では天皇じゃなくて戦争の責任は軍部の暴走にある、天皇は止められないかわいそうな立場だったという感じで習うけど、韓国人は日本にとって最高責任者だった天皇をなぜ責任者だと思わないのかって聞かれたことがあって、それも何か言われてみれば全然そういう風に思わなかったけど、それも日本の教育を通して天皇の責任にするという考え方にならないように教育されてきてる、戦後ずっとこう教育されてきているからそういう考える社会として天皇が責任者だっていう考え方が出てこない。ここで日本と韓国で全然考え方が違うように社会が作られてきてて、慰安婦の問題とかも含めて戦争とか天皇とかそういう話になった時は国として考え方が違うように作れて来ているから、そういうところから本当は考えていかないと、簡単に賠償すれば済むという問題ではないかなって思います。

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歴史館の裏には亡くなれたハルモニのお墓とその隣には訪問客が残したメッセージがあります。


 

皆さん気づきが多い一日だったようで感想共有を活発にしてくれました。慰安婦問題の他にも、戦争責任の話や、天皇制の話、日本と台湾やドイツとの違いなど様々な方向に話が広がりました。今回は特に3人のハルモニたちの話を直接聞けたというのがかなり意味あることでした。今まで韓国内外で活発に活動をされているハルモニの方々にお会いできたことに本当に感謝です。「あとは若い人に任せるよ」ハルモニが私たちに残した言葉です。慰安婦問題を正しく理解し、周囲に広め、解決方法を模索していく責任が私たちに残されていることを忘れてはいけないと改めて思いました。

 

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